岡本太郎さんに出会って、私は本当に救われたって思うし、まだまだこうしている今も、救われている気がしている。
岡本敏子さんは、よしもとばななさんとの本『恋愛について話しました』で、5分に一回は太郎さんの素晴らしさを語っていたって言うけれど、それって本当によくわかる。本当に素敵な人だから、伝えられずにはいられないんだ。
全人類として生きた太郎さんだったからね。敏子さんは心にしまうのでなく、みんなに知ってもらいたかったのね。
そしてそれは、とっても役に立っている。
本当に、そう思う。
私は、本当にこれはと思う言葉や人に出会うと、とことん集中する。そういう性質のようです。
星野道夫さんもそうだし、山田詠美さんもそうだし、宇野千代さんだったり・・・他にも色々いるんだけれど、そして今は本当に岡本太郎なのだ。
タロさんは、「岡本太郎は君の心の中にいる」って言っていたけど、それは本当にそうだと思う。気がつけば、みんなの心の中に岡本太郎はいるんだと思う。
太郎さんが「芸術」と言う場合、それは絵や音楽や文学とか言ったものを差すんじゃない。もっと深い。タロさんの言う「芸術」という言葉は、「愛」と置き
換えてもいいと思う。敏子さんは、ただ太郎さんにとっては、「芸術」というのが一番しっくり来たんだろうとおっしゃっていた。
私も、既存の言葉に、本来言葉にない意味を含めて言ったり書いたりするので、ズレや誤解が生じるかもって思う事はしょっちゅうある。実際に、上手く伝わっていない場合も多い。誤解も多い。
私が、例えば「愛」といったり「優しさ」というときは、その一般的な意味とはちょっと違う場合がよくある。それは、感覚で感じ取ってくれる人はいいんだけれど、そんなの親にだって通じない場合だって多いのにね。それに関して、太郎さんは上手い事を言っていた。
「言葉はすべて自分以前に作られたものだし、純粋でほんとうの感情はなかなかそれにぴったりあうはずがない」ってね。これには、ほんとうに同感だった。そんな風に言えちゃうところが本当に凄い。
ああ。また太郎さんの話になっちゃった。笑
でも、女性だったらやっぱり太郎さん研究をこんなに熱心にしたり感動するんじゃなくって、敏子さんのことをしっかり見つめないとなあって思う。敏子さんは本当に女性として生きた人だから。
敏子さんも大好きだけど、太郎さんにすっかり夢中になっている辺り、私は男なのかなとか思っちゃう。
敏子さんの『恋愛芸術家』っていう本を読んだのですが、本当に本当に素敵だった。そして、痛かった。そして、痛い分、本当に力が沸いて来た。
敏子さんにはもともと備わっていなくっ
て、何故そう思うのかが本気でわからないわとおっしゃっていた、傷ついたり嫉妬したりする側面を持っている私。そして少々潔癖な面。誰でも少しは経験があると思うけど、そういう側面があるか
ら、私は表現者でいられずにはいられないのかもしれないけど、自分でやだなあって思う一面だった。
敏子さんは、本当に凄い。本当にただ在る人なのだ。ただ、この瞬間を精一杯開いて生きている、そんな人なのだ。それ以外に何もない。だから不安になったり過去や未来の事を考える暇なんてないんだ。だけど、それこそが人間にとても大切な事で素晴らしいって思う。
私は、とても恥ずかしいなあって思った。でも、そういう自分が自分なんだから素直に認めちゃったらいいんだってこと、思いつかなかった。
駄目な自分をこてんぱんにやっつけるんじゃなくって、駄目な自分をじっと見つめて、眼をそらさなければいいんだ。そうして、誰に認められなくても自分が
自分を抱きしめられればそれだけでも素晴らしい。そこから、開いて行けるんだって言う事を、敏子さんから教わった。太郎さんでもあるけれど。笑
さて。コーエン兄弟の映画を観て、なんでこんなにタロさんの話をしているかと言うと。
岡本太郎哲学には、「現在にないものは永久にない」っていうのがあ
るのだけど、それは、逆に言えば「将来あるものならば、必ず現在にある」と言うことで、これは本当に痛いわ!っていてもたってもいられなくなっちゃったけ
ど、それと同時に「なにくそ!」っていう気持ちもわいて来るとても凄い哲学だわって思う。本当に太郎さんの言葉って凄い力があるなって思うけど、そういういい言葉に接して血や肉にし
ていくと、そこら中に出会いがある事に気がつきます。
人との出会いだけに留まらず、すれ違う人たちの姿や行動や言葉・・・風景や植物だってなんだってそのすべて。
今日、本当に久しぶりにレンタル屋さんに寄ったのですが、何を観たいか心を探りながら、選んでいたら、何故かコーエン兄弟の作品が無性に観たくなって来
た。コーエン兄弟の作品は大好きなのですが、観ていないものもいくつかあって、この『The Future is Now』もそのひとつだった。
とても無意識にこの映画に惹かれたんだけど、これを観ていたら、もしかしてコーエン兄弟って岡本太郎大好きなんじゃない?って思っちゃった。そんな意識の繋がりを感じるような映画だった。
とにかく、面白かった!
ブログの題名に対して、内容は殆ど岡本太郎だったけど、興味のある方は是非観てみてください。
『未来は今』っていう邦題です。
大好きなスティーブ・ブシェミも、お決まりで出てくるかなあ〜って思っていたら、出てきましたよ。本当にちょびっとだけど。あんなにちょびっとしか出て来ないのにこんなに心に残るって凄すぎます。あんなバーテンがいたら素敵だわ〜
実はね、もう一本借りて来ているんですよ。
楽しみです。
よい夜を。
love,
Ryoco
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